Columコラム
Roots ofLife の記事一覧
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2016.02.03
豊かな「触れ愛」の積み重ねが、女性の輝きを引き出す
「女性性」と「スキンシップ・コミュニケーション」の密な関係 「どうしたら女性性を高めることができますか?」と聞く女性たち ラブライフアドバイザーである私の元には、女性達から「どうしたら女性性を高めることができますか?」というご相談が寄せられます。「女性性」と一口に言っても、その方が思い描く「女性性」のイメージはバラバラです。体型やファッション、メイクなど外見を指している場合もあるし、「モテたい」「愛されたい」という対人的なコミュニケーションの場合もあります。「色気」という意味合いで使っていることも。しかし、私の考える「女性性」は、外見だけ、コミュニケーションスキルのテクニックだけを磨いて簡単に上げられるものではなく、もっと本質的なものだと思っています。その女性の「知識」「経験」「ルックス」「雰囲気」「思慮深さ」を凝縮した上でにじみ出る立ち振る舞い。相手を受け入れ、慮り、自分の中で咀嚼して、切り返すという、一連の流れが、しなやかで気品があるかどうか。日本語の「たおやかさ」こそ、「女性性」を表現するのにピッタリな言葉だと思います。 性を通じて、体感する「女性性」 Enjoy! being woman.私の座右の銘であるこの言葉。「せっかく女性に生まれたのだから、女性としての人生をめいっぱい楽しもう!」という想いが込められています。私が、性にこだわり、情報発信しているのは、性的な結びつきの中でしか体験できない「幸せ」や「喜び」があるからです。人間の本質である「性」を、カラダと心で体感するセックスは、女性性を豊かにする行為。そんな大事な行為なのに、アダルトコンテンツは数あれど、女性が幸せを感じるようなセックスのコンテンツはまだまだ少ないのが現状です。「大きい声じゃ言えないこと」「恥ずかしいこと」「下ネタ」という従来のセックスのイメージから、正しい知識を得る場も少なく、悩んでいる人も多いのです。 肌を重ねて築き上げる人との絆 セックスは、「種の存続」のための自然な営みのひとつ。女性にとっては、豊かな「触れ愛」は、健康と心の活力源となります。身体の構造からみても、個人差や民族差があるものの、 女性には男性に比べて、触覚が敏感。「肌合いをつかむ」という言葉がありますが、これは女性には、とても大事な感覚です。一生を通して、女性は触れ合うことで、人間関係を深め、自分自身を癒していきます。触れ合いによって多幸感を感じる機会は、この世に命を与えられた時から起こります。赤ちゃんがお母さんに抱っこされ、親子の絆を深めることから始まります。肩たたきやお風呂での背中の洗いっこで、家族の絆を深めた方もいるでしょう。幼少期には、仲良しの友達と手を繋いだり、おんぶをしたり、遊びでの触れ合いで、友情を深めていきます。思春期になり、恋愛感情や好奇心から異性との触れ合いに興味を持ち始めます。大人になってからも、アロマセラピーなどタッチセラピーで触れられることに癒しを求めます。女性が人生をごきげんに過ごすには、「心地よい触れ合い」の積み重ねが大切なのです。それが、私が「性」と「スキンシップ・コミュニケーション」にこだわる理由です。 女性が、セックスを通して「オンナであること」を楽しみ、ごきげんに過ごす世の中はきっともっと素晴らしいはず。そんな想いが、「Enjoy! being woman.」という私のスローガンに込められています。
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2016.02.03
たおやかな女性の秘密はセルフ・プレジャータイム
自分自身とのスキンシップ・コミュニケーションを見つめ直そう Self Lovingの意味を知った17才の頃 私は、大学の卒業論文の研究テーマに「女性のマスターベーション」を選び、女性の性が世界各国でどのように扱われてきたのかを調査しました。当時も今も、女性にとって、性にまつわることは恥ずかしいという認識があり、ましてや、自分の欲望が露わになるマスターベーションについては、タブー視されています。私が女性の性の研究に対して、使命感をもって取り組むに至るには、いくつか伏線がありました。 高校時代、我が家は、アメリカからの留学生を受け入れるホスト・ファミリーをしていました。同世代の女子が盛り上がる話題と言えば、恋愛話やちょっと秘密めいたこと。17才のホストシスターが、Divinyls の「I Touch Myself」を聴いていたので、「この曲って、どういう意味?」と聞いたら「touch myselfって、わかるでしょう? self lovingとも言うのよ」と教えてくれました。当時の私にとっては、口にするのもはばかられる行為だった「マスターベーション」が、「自分で自分を愛する」という言葉で表現されることに、目から鱗が落ちました。 交換留学で、アメリカに渡った後も目鱗な体験は続きました。サンフランシスコのLGBTが集まるエリアで手を繋いでデートをするゲイカップルを目の当りにしたり、生まれた国の異なる子供を養子縁組して家族として成り立っていたり、セクシャリティーと家族の在り方の多様性に17才の私にとっては、カルチャーショックでした。自分を愛すること、愛する人と愛を交わすこと、愛する家族を大切にすること。すべての根底に、揺るぎない“愛”があるということに気づけたことは、人生最大の収穫でした。 お肌のお手入れをするように、セルフ・プレジャーを 最近では、海外からスタイリッシュなラブグッズが持ち込まれ、日本を代表するラブグッズブランドが、「マスターベーション」を「セルフ・プレジャー」と言い換え、少しずつではありますが、女性のセルフ・プレジャーのイメージが前向きなものに変わっているのを感じます。セルフ・プレジャーは、自分自身に向き合い、感受性を高める、貴重なメディテーションの時間です。お肌のお手入れと同じくらい“当たり前”の感覚で、私達の日常に溶け込んでもよいと思っています。セルフ・プレジャーで高めた感性をパートナーと交し合うのがセックスです。カラダはとても正直です。セックスを通して、パートナーとの良質なエネルギーの交換が出来ると、内側から愛が満ち溢れてくるのを感じるはずです。 愛を循環させる女性は、自分自身の官能性と向き合うことの出来る女性。
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2016.02.03
ラブライフアドバイザー誕生秘話~おばあちゃんのお手当~
世代を超えて受け継がれるスキンシップ・コミュニケーションを見直しませんか? 私は、「ラブライフアドバイザー」というちょっと聞きなれない肩書きで仕事をしています。具体的には、「日本人の女性をもっとごきげんにする!」というライフワークを掲げ、大学時代からセクシャリティーを研究し、性生活を通して、Quality of Lifeが向上するための啓蒙活動を行っています。現在に至るまでの14年間、アロマセラピストとしての顔を持ちながら、セックスカウンセリングやスキンシップ・コミュニケーションの体験型ワークショップを重ね、多くの人々のセックス観に触れてきました。“性”というニッチなジャンルを研究している女性への好奇の目が向けられることは日常茶飯事です。「なぜ、今のような仕事に就こうと思ったのですか?」と、今までにたくさんの方に質問されてきました。私の活動の原点を振り返ってみると、色眼鏡で見られる現実とは全く別のところに存在しています。それは、祖母の手の平。 祖母の手の平が薬箱代わり 私自身のことを少しお話します。家族経営で商売を3つ営む年中無休の自営業家庭で生まれ育ち、夏休みなどの長期休みは、祖父母の家に預けられていました。おばあちゃん子で、祖母は母親代わり。洋裁の先生である祖母は、毎日朝と晩に、神棚には祝詞、仏壇にはお経を唱え、家族の健康を常に願っているような信心深い人でした。私が、「お腹が痛い」と言えば、お腹をさすりながらお祈りをするという、昔ながらのお手当をしてくれ、それが自然と日常に溶け込んでいました。アロマセラピストを経て、ラブライフ・アドバイザーになった今、パートナー間のスキンシップ・コミュニケーションにおいて「お祈りをするようにパートナーの体に触れましょう」「セックスは、気の交流です」と提唱しているのは、まさに祖母が幼いころから私にしてくれたお手当てがルーツなのです。 世代を超えて循環する“触れ愛” その祖母は、現在は、認知症が進行して、現在は高齢者住宅にて介護サービスを受けながら生活しています。面会時には、スウェーデンで認知症緩和ケアとして導入されているタッチングセラピーやアロマセラピーを取り入れながら、祖母との触れ合いを大切にしています。やさしく触れながら会話をしていると、私の名前を思い出せない祖母が、すらすらと昔の思い出話を語りだし、器用だった指先に自由が戻り、自尊心を取り戻していくのです。心の通ったスキンシップ・コミュニケーションは、豊かな人生を歩んでいくために必要不可欠ですが、それは、パートナー間のセックスにも言えることです。祖母から母へ。母から子へ。孫から祖母へ。世代を超えて、愛と命を繋いでいく“触れ愛”の大切さを肌で感じているからこそ、セックスも心の通った行為であって欲しいのです。 裸一貫になった時に、どれだけ人を幸せにできるか。それが、人の真価だと思っています。