Columコラム

2017.04.02

「幸福なピロートーク」こそ真のセックス・セラピーである

 こんばんは!OLIVIAです。
前回に引き続き、「セックスにおけるコミュニケーション能力を磨くメリット」について注目してみましょう。
今回のセクシャル・コミュニケーションは…

☑セックス後に「振り返り」ができる。ピロートークが好き。

セックスの後、あなたは、どんな風に過ごしていますか?
「セックス後は、彼の腕枕で眠りにつくのが好き」
「後戯はどこまですべきか迷う?」
「彼がセックス後にすぐシャワーを浴び(タバコを吸い)に行ってしまうのが不満」
「彼のセックスってイマイチなんだよなぁといつも思うガッカリする時間」など
ひとりひとり、思うところがありますよね。

 私が一連のセックスの流れで一番好きなのは、この「セックス後の時間」。
ジョルジュ・バタイユは、「エロティシズム」を、「小さな死」と表現していますが、内的な「破壊と再生」が行われた後の静けさをまどろみの中で味わうのが好き。
オーガズム直後って、体力的にも心地よく疲労しているし、理性的な思考がうまく働かないから、本性をさらけ出して無防備になります。
とくに、その人との初回のセックス後のピロートークは、女性観やジェンダー観が浮き彫りになるので、最も注目しています。
どれがいいとか悪いとかはないけど、「期待以上」でも「期待外れ」でも、パートナーの本心を垣間見られるので、貴重な体験だと思ってます。

セックスは諸刃の剣

 最近観たフランス映画「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」の中でも印象的なピロートークシーンがありました。
主人公の弁護士のトニー(エマニュエル・ベルコ)と色男のジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)が、初夜を過ごした直後。
トニーが、ベッドで、ジョルジオに「私の(アソコの締り具合)は、大丈夫だったか?」とたずね、元夫に「アソコがゆるい」と言われて傷ついたエピソードを話し始めます。
ジョルジオは、「元夫のアソコが小さかったんじゃないか?」と、笑い飛ばす朗らかなシーンなのですが、「これこそ、セックス・セラピーだわ…」と思いました。
セックスのコンプレックスやセックス遍歴って、誰もが心の内に秘めているもの。
さらけ出すのも怖いし、できれば、臭いものには蓋をしつづけたい。
それでも、「この人になら、言ってもいいかな…」と勇気ある行動を起こし、そして、それを受け止める器のあるパートナーが存在することを実感したとき。
まさに、体だけじゃなく、心もひとつに繋がる瞬間。
 
 セックスは、諸刃の剣です。
 人格を深く傷つけることもあれば、この世に生を受けた喜びを実感するような幸福なひとときにもなりえます。
幸福なピロートークが出来るカップルこそ、理想的な関係なんじゃないか、と思うのです。

 いい感じに話をまとめた後にアレですが、私は、時々、終わった直後に、パシッ!と仕事モードに切り替わり、そそくさと原稿を書き始めることもあるので、「賢者タイム!」と、パートナーに苦言を呈されます。
オンナだって、サクッと終わらせて、賢者になりたい時もあることを知って欲しいものです。

つづく。

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