Columコラム

2019.03.12

【レポート中編】「知ってるようで知らない性の健康セミナー」

一般社団法人 日本家族計画協会主催、ジェクス株式会社共催

第7回「知ってるようで知らない 性の健康セミナー」のレポート第二弾です。

 

 

咲江レディースクリニック 院長 丹羽咲江先生による講演

「あなたが知らない性の悩みの世界~女性編~」

 

2016年の「女性器のコンプレックス」調査の結果

 

1位:臭い

2位:黒ずみ

3位:小陰唇のヒダが大きい、長い

4位:膣のゆるみ

5位:毛深い

6位:処女膜がない(再生したい)

7位:性交時の膣の痛み

8位:クリトリス包茎

 

 

女性器のコンプレックスは、誰にも相談できず…

「男性と付き合うことが怖い」

「セックスをしたくてもできない」

「結婚を考えると絶望的」

「女性として生まれてきたのに女性として当たり前のことができない」

と自己肯定感が低くなる原因となります。

 

丹羽先生は、それぞれのコンプレックスの実情と最新の医療で解決できるものを紹介してくださいました。

例えば、「3位:小陰唇のヒダが大きい、長い」は、陰唇縮小手術を行います。

 

「ジーンズをはいたときに小陰唇がこすれて痛みがある」

「和式トイレを使った時に尿が飛び散る」

「性交時に陰唇が巻き込まれていたい」

など日常生活に支障がでる状態であれば、総合病院では保険が適用される場合もあるとのこと。

 

今回は、具体的な手術方法をあげられてはいませんでしたが、

「6位:処女膜がない(再生したい)」「8位:クリトリス包茎」に関しても、「婦人科形成」の手術があります。

それぞれの手術に関して詳しく知りたい方は「女性器コンプレックス」(喜田直江先生著)が参考になります。

 

「5位:毛深い」では、各種脱毛法のメリットとデメリット、男性の陰毛脱毛のトレンドをあげられていましたが、興味深かったのは、45才以上でアンダーヘア脱毛をする人が2010年と2017年を比較すると、4.53倍になっているとのこと。

丹羽先生は、「いつ介護されてもいいように」脱毛と命名されていました。

「おむつ交換の時はよく見てよく拭かないと炎症や感染をおこしやすい。赤ちゃんみたいにつるつるだったら拭き取るのも楽。白髪になったらレーザー脱毛できないから今のうちに手を打たないと!」

親世代の排泄介護をしている時に、陰毛があることでデリケートゾーンが不衛生になることに気づいた人が、陰毛が白髪になる前に(レーザーは黒い毛にしか反応しないので)処理しようと思い、増えたと指摘されていました。

 

「7位:性交痛」は、ラブライフカウンセリングでもよく相談される悩みです。

 

性交痛の原因は…

①骨盤の奥で感じる痛み(子宮内膜症、クラミジア感染症、腹水やガス、癒着などで痛みがでやすくなる)

②膣の入り口で感じる痛み(性感染症による炎症、膣や外陰部の自浄作用の低下、加齢による粘膜の萎縮)

③精神的なもの

 

今回は、ジェクス株式会社が共催ということで、ジェクスさんが作っている潤滑剤「リューブゼリー」や保湿剤「メノケアモイストゼリー」を上手に活用することを提案されていました。

潤滑剤「リューブゼリー」は、性交時に。

保湿剤「メノケアモイストゼリー」は、日常生活の潤い不足に。

出産後や閉経後はとくに膣が乾きやすくなるのので、1日1回1週間保湿を続けることで、変化を実感できるそうです。

 

潤滑剤を使っても、性交痛が改善されない場合は…

膣外陰部のレーザー治療「モナリザタッチ」を紹介されていました。

こちらのレーザー治療、私は、日本に導入される前にモニターとして3回照射しました。

5年ほど前でしたが、確かにレーザーの前後で膣内の状態は変化しました。

当時は、

「せんべい布団を打ち直して、ふかふかの布団になったよう…」

「ぷりっぷりの海老みたいになった」と感じました。

自分自身よりもパートナーの方が、違いがよくわかったようです。

 

続いての「性的欲求の低下」のパートでは、

①心因性

②身体疾患

③薬物の影響

 

③の薬物の影響の中でも「経口避妊薬(ピル)」を取り上げ、「ピルは性欲を本当に減退させるのか?」を解説してくださいました。

 

今回は、医療従事者(薬剤師さん多め)の勉強会だったため、専門用語を用いての解説でしたが、疑問に思っていた「ピルは性欲を本当に減退させるのか?」について詳しくお話を聴けたことがとてもためになりました。

 

丹羽先生は、「ピルの使用目的(避妊・月経痛など)が広がり、種類が増えたこと(第1~4世代)で選択の幅が広がりました。そのため、服用する人の体質やニーズに合ったものを選択することえより女性のQOLが改善していくと思われます。」とおっしゃっていました。

 

講演の中で紹介された「性反応に影響を及ぼす構造等式モデル」も大変興味深かったです!

 

順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科白井雅人先生による講演「あなたが知らない性の悩みの世界~男性編~」へ続きます。

 

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